「うつ病」と「音楽鑑賞」における相互関係

私達、人間は誰しも、自分が好きな音楽を聴くと気分が高揚したり、疲れた気分が癒されたりします。また、時には苦しさを越える力となり、勇気を与えられることがあります。

この現象は、生物学的な快感作用の仕組みが関係していると考えられています。

そこで、音楽を聴くことによって、どのような作用が人間に生じるのかを科学的に“快感”という観点から考察してみたいと思います。

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生物学的に、快感は以下のように分類できます。

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1)神経覚醒興奮による快感

2)神経興奮抑制作用による快感

3)神経興奮および不活性のアンバランスの是正による快感

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1) について、詳細に説明すると以下のとおりになります。

人間の肉体の活性には、脳活動が大きく関係しており、快感を感じるのは、脳内の快感神経であり、快感神経の興奮が、『気分の高揚』という現象と『肉体の活性化現象』を引き起こしている状態といえます。

特に快感神経の興奮に伴って、快感神経とネットワークを持っているホルモン分泌器官や、自律神経のなかの交感神経に作用して、肉体をも覚醒活性化させたりします。(覚醒興奮の快感)

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2) について、詳細に説明すると以下のとおりです。

私達が、ストレス等でイライラした状態の時、脳は自己防衛反応が過剰な状態となり、苦痛を感知する神経が過剰興奮の状態になっているといえます。

この時、神経の興奮を抑制させることによって快感が生じることをいいます。また、自律神経の副交感神経に作用して、体のリラックス状態を創り出すこともあります。(安らぎの快感)

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3) について、詳細に説明すると以下のとおりになります。

脳内のおのおの神経の働きが不均衡で、働かなくてはいけない神経系が稼働せず、逆に働かなくてもよい神経系が興奮している状態といえます。

この状態は人間にとって苦痛状態であると一般的には認知されており、したがって、アンバランスを正常な状態に戻された場合、心身共に協調した働きが可能となり、スムーズに心と体が機能することによって快感を得ることができます。(苦痛中和作用)

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さて、この説明で、私達の“脳”がどのようになっているのか、どんな事柄に影響を受けるのか理解できるでしょうか。

おそらく、大半の方は「よくわからない」や「むずかしい」などと言った意見の方が多いかと思います。

そんな状態だと思いますが、もう少し堅苦しい解説をしてみたいと思います。

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☆音楽と振動作用☆

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音楽には必ず多かれ少なかれ“リズム”があり、音域の高低、音の強弱という要素が存在します。これらの要素は、一種の振動波形といえます。

これらは科学的にいって、耳で聴いたり、体の振動で感じ、感覚神経によって脳に集められ、固有振動型となって固有な神経の配線の興奮を引き起こします。

この神経の配線は原始的な本能をつかさどる脳の部分と、その個人の過去での快感の記憶と苦痛の記憶の神経の興奮に結びついています。したがって、自分では意識と記憶に昇らない部分に作用することになるのです。

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波には高低と幅が存在し、高低には変化という落差が必ず存在します。人間は生物であり、生物が進化するためには、自己と異なった対象に快感を感じ、結びつこうとする衝動が存在します。よって、波の高低差による変化から快感を受けることになるのです。

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人それぞれ音楽だけでなく、視覚的なもの、芸術品や絵画など、形や色でも個人個人好みがあります。これは、個人個人が持っている神経配線の形成への固有振動の影響の違いと考えることができます。

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このように音楽を聴くことは、変化の落差を感知することによって生じる快感であり、振幅と振動数(周波数)に置き換えられ神経の興奮を引き起こすのです。

音楽はこれも振動の一種ですから、自分の持っている振動数に同調するものや自分の潜在的な振動を喚起させるものに快感が生じる。つまり、音楽には自分の持っている潜在的な固有振動型を発現させる作用と、潜在的無意識の再確認作用とがあると考えられるという訳です。

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音楽が神経におよぼす影響を述べると、一般に、テンポが早く、音量の大きいものは、神経の覚醒興奮があり、興奮性の快感となりやすい。この時脳内では、快感物質『ドーパミン』や『ノルアドレナリン』が分泌されていると推測できます。

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その逆に、ゆっくりなテンポで音量の小さいものは神経の興奮を鎮め、気分を落ち着かせ、気分を癒してくれます。

この時、『ノルアドレナリン』や『アドレナリン』の分泌が抑えられ、『アセチルコリン』が副交感神経から分泌され休息状態をつくり、快感物質エンドルフィン等が分泌されていると推測できます。

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また、快感物質の分泌特性から述べれば、一般に若い世代の人間は、成長期であることから、覚醒興奮作用を持つ快感物質『ドーパミン』や『ノルアドエナリン』が過剰に分泌されやすい傾向にあり、それらの分泌速度に合った興奮と覚醒を引きおこすテンポの速い音量の大きな音楽を好みます。

それに対し、年配者は成長期が過ぎ、脳や体が疲労しやすい状態であるから、これらの過剰興奮による疲労を和らげるゆっくりとしたテンポを好み、音量の大きいものは好まないような傾向となると考えられます。

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以上、どちらの場合も、音楽という方法によって変化の波を感知し、その音楽の波と自己の無意識な固有振動波の同調や共振によって、快感を生じさせているのです。

もちろん、音楽のみならず、快感を感じるということは、自己の波と自己以外の波が同調、共振する時に生じ、人は無意識にそのような対象を時と場合によって自己で無意識に選択するのです。しかし、そのときの状況や時と場合や環境によって、神経の興奮体制が変化するから、快感と感じる対象や音楽の種類も変化すると考えられます。

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どうでしたか?

ここまでの内容を読んで、『脳』と『音楽』の関係は理解できたでしょうか。

おそらく、「えっ?」「なに?」「よくわからない・・・」といったところだと思います。

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タイトルにあった、「うつ病」と「音楽鑑賞」における相互関係。

これについて前段の内容を踏まえて、もう少しわかりやすく解説してみたいと思います。

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どんな方でも、「音楽」を聞くことが「大嫌い」と言う方はいないと思います。

私ごとですが、「音楽」は様々なジャンルをこよなく愛し、毎日のように聴いています。

私の場合、「音楽」を聴くということは「精神安定剤」のような役割を果たしており、イライラや不安感を解消するために、欠かせないものとなっています。

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前段で記述した内容の中に『ドーパミン』や『ノルアドレナリン』といった言葉が出てきました。不安感であったり気持ちが落ち込んでいる時に、アップテンポの「音楽」を聴くことによって『ドーパミン』や『ノルアドレナリン』が分泌され、気持ちが高揚し不安感や落ち込んだ気持ちを抑制してくれます。

反対に、イライラしたり「怒り」といった攻撃的な感情になっている時に、スローテンポの「音楽」を聴くことによって『アセチルコリン』が分泌され、過剰に分泌されている『ドーパミン』や『ノルアドレナリン』を抑制してくれる作用があります。

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ここで、『アセチルコリン』という物質ですが、『セロトニン』と表現した方がなじみがあるかと思います。『アセチルコリン』と『セロトニン』は厳密には全く違う精神伝達物質なのですが、現在の医療では『ノルアドレナリン』と『ドーパミン』と『セロトニン』は体内で特に重要な役割を果たしている“三大神経伝達物質”とされていることから、『セロトニン』と表現した方が適切だと思われます。

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では、一般的に「音楽」が「脳」に与える影響とはどのようなものでしょうか。

ここでは、そのいくつかを紹介したいと思います。

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○まだ現段階では研究中ですが、音楽は脳の複数の部分に働きかけるので、神経を伝達する道筋に深い部分で関われるとされています。

http://www.lifehacker.jp/a/2012/01/111226effectofmusic.html

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○脳卒中を起こした患者にも使われている

http://www.lifehacker.jp/a/2012/01/111226effectofmusic.html

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○忘れていたことを思い出す

1990年代には、「モーツァルトを聴きながら勉強すると、テストでいい点数が取れる」という研究結果

(音楽を聴きながら新しい記憶ができると、その後同じ音楽を聴くことで、その記憶が引き出されることがある、ということが言えます。もし、何か暗記しなければいけないことがあるのになかなか覚えられない場合は、最初に覚えようとしたときに聴いていた音楽があれば、それを聴き続けるとうまくいくかもしれません。)

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○免疫力を高める

音楽を聴くだけで免疫力が高まるなんてウソのような話ですが、ちゃんと科学的に証明されています。「音楽を聴いて気分が良くなると、生理学的な変化が起こり、ストレスの軽減や免疫力アップにつながる」

(癒しの音楽は、ストレスを軽減し、そのときにストレスホルモンのコルチゾールの値が下がります。テンポのいいダンスミュージックでも体内の抗体のレベルが上がるとわかっています。)

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○プレッシャーに負けない自分になる

ハミングすると不安な気持ちが抑えられるとのことですが、これはプレッシャー対策にも使えるようです。

(あなたが心配性で大事なミーティングやプレゼンでアガってしまうタイプであれば、力を抜いて聴くことのできる、ユーモラスな曲を聴きながら心の準備をすると、失敗を防げるかもしれません。)

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○疲れに打ち克ち、生産性を上げる

歌詞のない曲は、脳の言語を扱う分野を邪魔しないことはわかっています。

(音楽を聴くことで気分を高揚させつつ、退屈な仕事をこなす、といったことができます。エクササイズも同じで、音楽の種類を変えることで、疲れを感じにくくなります。)

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などなど、「音楽」の力は、人間にとって、とても影響力があることがわかってします。勿論、「音楽」だけにその力があるという訳ではありません。

そんなわけで、今回は「音楽」に特化して書いてみました。

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良い音楽と、心地よい生活環境、メンタルコントロール。うまくできると良いですね。